ヘルメス・トリスメギトスのエメラルドタブレット

中世ヨーロッパでは、西洋占星術は古代アトランティスの伝説の王、ヘルメス・トリスメギトスが残したものであると考えられていました。彼の遺体が発見されたとき、その奥義を刻んだエメラルドで作られた碑石（エメラルドダブレット）を握っていました。その内容は後の精神世界やオカルトなどに多大な影響を与えました。

ヘルメス・トリスメギトスとは「３倍偉大なヘルメス」を意味するギリシャ語です。錬金術の始祖でもあったヘルメス・トリメギトスについては様々な伝説が残っています。

ヘルメス・トリスメギトスのは「旧約聖書」の預言者モーゼと同時代の人物で、王であり、賢者であり、預言者でもあったという伝説があります。また別の伝説では海中に沈んだ古代アトランティスの王であり、その神秘の力を記した膨大な書物を書き記したとも言われています。

さらに、アトランティス最後の司祭であるトートが、ヘルメス・トリスメギトスに生まれ変わったと言う伝説も残っています。この説ではアトランティス沈没後エジプトに逃れ、ピラミッドを建設し、アトランティスの叡智を封印するとともに、エメラルドタブレットと呼ばれる碑石に古代からの奥義を記したと言われています。

ヘルメス・トリスメギトスが残したとされる、エメラルドタブレット（エメラルド碑文）には、占星術の奥義と並んで、錬金術や世界の未来に関する予言なども刻まれていました。その一部がラテン語訳されて１５世紀ごろにヨーロッパで広まりヘルメス文章と呼ばれました。

ヘルメス文章の中にある

• 下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし

は非常に有名な言葉で、占いの基本的理論である、万物照応の概念を示しています。

• 下なるものは上なるもののごとし
• 上なるものは下なるもののごとし

この言葉は、私たちは自分自身が宇宙であり、いつも宇宙と繋がっているということを表しています。

それでも、私たちは不安や恐怖から宇宙との繋がりを自分から断ち切って、ネガティブな現実を引き寄せてしまいます。でも宇宙は決して私たちを見捨てません。再び宇宙との繋がりを取り戻すまで、あなたの側でそっと見守ってくれているのです。

本当は宇宙である私たちが、安心して大いなる宇宙の意志に身を委ねて任せきり、流れに乗っていけるように、占いは道しるべとなり、宇宙との絆を再び思い出させてくれるのです。