占いとシンクロニシティ

占いは壮大なシンクロニシティとして成立しています。宇宙の動きと地上の個人との間には不思議な一致があるのです。

シンクロニシティという考え方は、２０世紀にユングが考え出した比較的最近のものですが、天と地が互いに鏡のような関係になっているという捉え方は古代よりずっと行われてきました。「照応論」といわれ「上なるものと下なるものの間につながりがある」という考えです。

宇宙が個人に起こる全ての出来事と関係している。これがシンクロニシティの本質です。

シンクロニシティについて語る時に、「二つの時計」という例え話がよく使われます。

神が２つの時計のアラームを同じようにセットします。誰も時計に触れないようにしますが、それぞれ時を刻み続けた時計は、物理的なつながりはありませんが、いずれ同じタイミングでアラームを鳴らすことでシンクロした動きを見せることになります。

一方の時計を配置されたカード、一方の時計を人間と考えてみると占いについての理解が深まります。カードと人間はシンクロしているように見えますが、それはカードと人間が一致するようになっているからなんですね。つまり、神のセットした時計のうち、一方の時計の針を見れば、例え離れていても、もう一方の時計の動きもちゃんとわかるように、占いで導かれたカードを見れば、もう一方の人間の運命もわかるということになるのです。

全てが宇宙と同調する宿命によって支配されているとしたら、私たちはただ単に決められた線路を進む、操り人形のような存在なのでしょうか？そうではありません。それぞれ生まれ持ったテーマによって宿命は決まっていますが、目の前に訪れる選択肢をどう選ぶかによって、私たちは自分の運命を作りあげていくことができる存在なのです。

ユングの研究家で占星術家でもある、マギー・ハイドはシンクロニシティーの概念を２種類に分けて考察することで、運命と宿命の関係を導き出しました。

• １つめのシンクロニシティーは誰から見てもはっきりとわかる客観的な事実としての宿命的なシンクロニシティです。
• そして２つめのシンクロニシティは宿命的なシンクロニシティーに加えて、ひとりひとりによって違う、それぞれが選択肢を持っている運命的なシンクロニシティです。

占いの場でいえば後者では占いで指し示されるカードと地上で起こる出来事のシンクロニシティに加えて、そのシンクロニシティを経験する相談者さま自身の意識や選択が鍵となります。

• 今なぜ、この時に、あなたにこの問題が起こったのか、
• なぜ誰でも良いのではなくあの人がいいのか、など

あなたが主人公になる状況が、あなたのシンクロニシティに深く関わってくるのです。そして占いの場では一般的な正解ではなく、ご相談者さま本人の意識や状況、本音がとても大切になります。それらを反映することで占いの流れや結果は、あなただけのシンクロニシティを起こして本当に心から納得できる答えを導き出してくれるのです。その納得した選択が、与えられた宿命を受け入れつつ、自分の運命を切り開く生き方を叶えてくれます。